刑事事件での弁護士の役割を考えてみてください。
刑事事件での弁護士の役割を考えてみてください。
もしも自分やその親族が刑事事件に巻き込まれてしまった場合、優秀な弁護士をつけようと考えるでしょう。
では刑事事件に強い弁護士とはどのような方なのでしょうか。
それまでの人生経験の中で一度も起訴されたことのない人にとっては意外かと思われるでしょうが、刑事事件においては無罪を勝ち取ることよりもさっさと終わらせることを考えた方がいい場合が多いのです。
なんとか優秀な弁護士さんの力を借りて無罪放免されたい、そう考えてしまうでしょうが現実にはそれはとても難しいのです。
とくに本当に罪を犯しているのなら、さっさと自白して反省していると認めてもらったほうが傷も浅くて済むのです。
つまり刑事事件に強い弁護士とは、罪を犯しているのならまず自白することを促してくれる弁護士さんを指す事になります。
無罪だ、冤罪だというのなら話は違ってきますが、この段階まで来ている人の場合ほとんどが身に覚えがあり困った状況になっているでしょう。
そこで否認を続けていても留置される期間が長引くだけですし、被害者だけでなく本人にとってもいいことは全くないのです。
そのままなら無罪になる、その見込みがあるのならいいですが弁護士さんと接見して可能性がほぼないと伝えられたのなら、いかにダメージを少なくするかを考えていかなければならないでしょう。
事件を速やかに解決する、その方向に導いてくれる弁護士さんが頼りになるのです。
容疑者である方に罪を認めるように説得し、諭すことで罰を軽減されるように働いてくれるのも弁護士の仕事であることを知らない人は多いようで、裁判に勝つことだけが全てと勘違いしているのでしょうがそんなことはありません。
素直に罪を認めれば起訴猶予、執行猶予になることもありますし、生活への支障も最低限で終わらせることもできるのです。
頑なに黙秘を続けていると留置期間が長くなって、何日も自宅へ戻れない日が続き辛い夜を幾晩も留置所で過ごすことになってしまいます。
もし1人暮らしで犬や猫を飼っていたりインコや金魚を飼育している人だと、ペットのことが気がかりで夜も満足に眠ることができなくなりそうですね。
そして取調べを受ける昼間や弁護士との接見の時間に眠気と戦うことにになり、それが留置されている間ずっと続くでしょう。
また刑事事件の容疑者になってしまうと、前科がつくかどうかに限らず留置所で拘束される期間が長ければ長いほど誰かに気付かれる可能性が高まります。
大きな犯罪でなければなんとか数日間の不在は誤魔化して、事件のことは誰にも知られずに終わらせたいと願うものですが、そのためには速やかに事件を執行猶予なりで解決させる必要が生じてきます。
犯してしまった罪を素直に認めて謝罪すべき相手にきっちり謝罪して反省すれば、刑が軽くなったり執行猶予になることも充分にありえることです。
その方が容疑者にとっても良い結果に繋がるので、刑事事件が得意な弁護士はなるべくその方向に導いてくれるでしょう。
下手に言い訳をしても心象が悪くなるだけなので、無罪でないのなら進んで自白して責任を取る姿勢を見せたほうがいいのです。
弁護士の役割は依頼主を無実にすることだけではありません。
容疑者の今後のことを考え、犯してしまった罪を認識させ反省させる、そしてしっかりと償いをするように促すこともなのです。
迅速に社会復帰ができるよう、なるべく軽い罰で終わらせてもらえるように働きかけることができるのも刑事事件に強い弁護士の条件でしょう。
無罪にしてくれるのが強い弁護士だという考えが広く浸透しているようですが、それだけが優秀な弁護士の条件ではないのです。